お仕置きゲーム。
向き合うヒーローと愛しい人
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「っ、」
俺は飛び起きた。あたりを見回し、施設の医務室だと認識して少しほっとする。どっどっどっ、と煩い鼓動を感じながらはあ、と息を吐いた。
「…どうすれば、」
いいんだろう。
今までずっと知らんぷりしてきた現実を突きつけられ、訳がわからなくなる。過去に犯した罪…美紀を見捨てた罪を、美紀の人格である真咲を護ることによって償っている気になっていた。
けど、実際は護れてなんかいなかった。
俺がしてきたことは美紀を殺した男やイカれた父親となにひとつ変わらない。殺人。知らない間に罪は大きくふくらんでいた。取り返しがつかない。
気づいた時には遅かった。もう、逃げ道はないんだ。
ぐ、と拳を握りしめる。未だに頭の中に響く真咲…いや、美紀の狂気に満ちた悲鳴を聞きながら静かに目を綴じた。
(もっと早く気づくべきだった。)
けど、もう遅い。
「なあ…真咲。」
(嘘つきマサキ!嘘つき!大っ嫌い!)
「俺に、お仕置きしてよ。」
(…え?)
「俺を殺して、真咲。」