お仕置きゲーム。
(...いいよ。)
暫く沈黙が続いたあと、真咲は低い声でそう呟いた。
(でも、)
「...。」
(最後のお願い、聞いてくれる?)
「お願い?」
(そう、お願い。)
「...何だよ。」
(啓太に、お仕置きして。)
俺は大きく目を見開いた。啓太に、おしおき?
「ッ、」
(できるよね?)
圧力が俺を襲った。全身がお願いを拒絶している。冷や汗が頬を流れた。
「ッ、ぁ(マサキ)っ...。」否定は許されない。(まーさき。)嫌、だ。(マサキ、マサキ)真咲...いや、美紀が俺を呼ぶ。俺の前でオジサンに犯され、死んだ美紀が俺を求めてる。
(マサキが私を嫌いでも、私はマサキが大好きだよ。)
思考がかき乱される。無意識に頭を抱え、うずくまる。
「俺は、」
(マサキ、愛してる。)
心の奥深くに、その言葉が響いた。お願いを拒絶しようと薄く口を開いた瞬間ナカの真咲は悲しそうに表情を歪める。
(また、私を裏切るの?)
再び、過去の光景が脳裏に蘇った。こみあげてくる吐き気。断っちゃいけない。だって俺は真咲を愛すると誓ったから。(マサキ、)償うためにも、真咲を護らなきゃ。(マサキ。)いや、違う。償えてなんかない。(お願い)
「っ、」