お仕置きゲーム。
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体が鉛のように重い。不思議と痛みはないが、動けなかった。場所は精神世界。白い空間。
「マサキ、どういうつもり。」
低い声音が聞こえ、地面に伏したまま視線を向ければ冷たい表情をした真咲が立っていた。
「なんで、なんでよ。答えてよ!!」
真咲は大声をあげて泣き出した。俺はなんとか真咲に近づこうと身をよじるが無理だった。
「う、ウゥ、嫌い!マサキなんて嫌い!だいっきらい!私を見捨てたくせに!!裏切ったくせに!見殺しにしたくせに!ひとごろし!!もう嫌だよ!!私はマサキしか要らないのに!!なんでマサキは啓太なの!智香なの!どうしてよ!」
「真咲、」
「...マサキの馬鹿。」
真咲は、いつのまにか包丁を手にしていた。無表情で涙を流しながら一歩ずつ近づいてくる。
「ッ、もう何もいらないっ!全部ブチ壊すから!」
___真咲に殺される。
そう悟り、覚悟を決めた時だった。ふわりと温かい風がふき誰かが俺を庇うように前に立つ。
「真咲はまだこっちに来ちゃ駄目よ。」
見覚えのある少女の背中を見て、目を見開いた。
「とも、か。」
「いくら真咲でも、啓太を悲しませちゃ駄目なんだからね!わかった?」
「ッ、なんで、」
俺、お前を殺したのに。どうして、ここにいるの。どうして俺を庇うの。
俺の考えを見透かしたように、智香は照れくさそうに笑ってから堂々と答えた。
「なんでって、あたしも真咲が好きだからよ。」