お仕置きゲーム。
勇敢な友人とイカれたエリート
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「君がおかした罪は、実に信じられない事だが、全部、本当なんだね?」
警察署の取調室で、イカつい顔のおっさんが俺に問いかけた。素直に頷けばおっさんは顔をしかめる。
目の前のテーブルの上には使用した凶器が並べられている。錆びた包丁、血がこびりついた鉄の棒。どれも、俺が使ったものだ。改めて、自分がおかした罪を真に受けて吐き気がこみ上げてきた。
「事情は分かった。君には留置場に行ってもらう。」
警官は静かにそう告げた。どんなところなんだろう、とふと疑問に思ったが俺は深く追求せずこくん、と頷く。
「彼には、何所か著しい精神的な疾患があるとは思えないな。」「ああ。しかし、こんな子供が、殺人なんて...。」
俺を見た警官はヒソヒソと何やら話し出す。ああ、気分が悪い。ここに来る前に別れた啓太を思い出し、胸が少しだけ痛んだ。
(啓太...)
覚悟を決めたはずなのに、こんなにも早く彼にあいたくなる。馬鹿みたいだ。おれ、こんなに弱かったっけ。
ガシャン、
両手に容赦なく手錠がはめられた。警官は俺の少ない荷物の中身を勝手にチェックしたあとにかかえ、パトカーに放り込む。
「ほら、早く乗れ。」
無理やり体をパトカーに押し込められた俺はそのまま留置場という場所に連れていかれるのだった。