お仕置きゲーム。



中に入り、検査室へと移動した。そこにはむさくるしいオッサンばかりがいて、空気が悪い。


少し待つと、突然扉が開き女の人が入ってきた。その場にいたオッサン達はその人に向かってバッと頭を下げる。どうやら上司らしい。


「随分小さな犯罪者ね。」

小さな、と言われた事に少しだけムッとしてソイツの顔を見上げて俺は固まった。

「ッ、かあ、さ、ん」

母親の顔に、そっくりだったのだ。ぽつりと呟いた言葉は、シンとしていた部屋中に響き渡り、俺の言葉を聞いたオッサン達が笑い出す。

「やっぱり餓鬼はママが恋しいんだな。」

表情の筋肉は動かしていないが、頬が熱くなるのが自分でもわかった。何いってンだろ、俺。母さんが生きてるわけねェのに。馬鹿だ。


「あら、あたしがあなたのお母さんに似てた?」

「...。」

黙り込めば、ソイツはふふ、と笑い、まずは身体検査をしましょうか。と言う。



「下着以外、全部脱ぎなさい。」



「...は?」

「聞こえなかった?脱ぎなさい。決まりなのよ。」

「...。」


逆らうと後々面倒なことになりそうだ。俺はおとなしく服を脱ぎ、下着姿になる。金属探知機を体に押し付けられ、表情をしかめればオンナは笑う。

「何も隠してないみたいね。」

ス、とオンナの手が俺の太腿を撫でた。なんだコイツ、きもい。

...それに、俺の勘違いだったらしい。


ぜんっぜん、母さんに似てない。

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