お仕置きゲーム。
「わかっ、た。」
侑里乃はしっかりと返事をして、ポケットから携帯を取り出した。さっそく自分の父親に連絡する気だろう。ぎこちない手つきで携帯を触っている彼女を見て、俺はすこしほっとした。
(真咲が、お仕置きされなくてよかった。)
アイツはちゃんと自分の罪を真っ直ぐ受け止め、償おうとしている。俺はそんな真咲を支えたいのだ。それに、侑里乃の為にも、彼女の父親に罪を犯して欲しくない。
「...啓太くん、」
「ん?」
「お父さんからメールきたんだけど。」
おずおずと俺に携帯の画面を見せてきた。それを見て、俺は硬直する。「ッ、嘘だろ。」
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件名 無題
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本文
知り合いに
ちゃんと頼んだから
侑里乃、いいこにし
てまってるんだよ。
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侑里乃は「ど、どうしよう。」と震えた瞳で俺を見る。ドッドッドッド。段々と鼓動が早くなっていく。
「まだ、間に合うかもしれないから、電話して、ちゃんと、話そう。」
若干パニックになっている俺の言葉を聞き、侑里乃は頷きおずおずと電話をかけた。