お仕置きゲーム。
侑里乃の父親は、2コール目で電話にでた。俺にも聞こえるようにスピーカー設定にしてくれてある。
『侑里乃、どうした?』
「お、とうさん。あのね、」
侑里乃は震える声で言葉を紡ぐ。
「だめ、だよ。おしおき、やめよう。」『...侑里乃、』低い声音で名前を呼ばれ、侑里乃はびくりと肩を揺らす。
『 い い こ に し て、 ま っ て る ん だ よ 。』
プツン、
父親はそれだけ言い残すと通話を終了させた。心臓の鼓動が更に早くなる。侑里乃はおびえた瞳で俺を見上げた。
「啓太、くん、」
「お、れが、どうにかする。」
俺は無意識に、そう呟いていた。「だから、心配するな。」侑里乃を安心させるように無理やり笑顔を張り付けた。
「...ちょっとでかけてくる。」
「啓太君。」
「大丈夫、侑里乃はここで待ってろ。」
「...うん。」
「いってくる。」
俺は施設を出て、まっすぐと警察署へと向かった。このままじゃ駄目だ。焦りばかりが大きくなる。真咲、真咲、殺させない。失いたくない。