お仕置きゲーム。


「ちゃんと説明しろよ。」「言えないわ。」「なんだよソレ。」「上からの命令なのよ。」「俺は、償いに来たんだよ。」「ええ、知ってるわ。」「俺、人を殺したンだぞ。」「ええ。」「犯罪だろ。」「そうね。犯罪だわ。」


「償うことも、許されねェのかよ!」


バン!と机を叩いて立ち上がった。オンナは相変わらず憐れんだ瞳を向けたまま、俺をじっと見つめている。

「...説明、しろよ。」

消えそうな声音で呟いても、オンナは首を左右にふるだけだった。

「俺はどうなるんだよ。」

オンナは真剣な表情の俺を見て、少しだけ戸惑いを見せた。それを見てさらに追い打ちをかける。


「説明して。なぁ、...お願い、俺、どうなるの。」






「私、嘘が嫌いなのよね。」



俯いている俺の頭に、オンナはぽん、と手を乗せた。

「貴方は生意気だし、口は悪いし、糞餓鬼だけど、ちゃんと罪を認めている。真っ直ぐ現実と向き合っていることは、今までの取り調べでよくわかったわ。家庭環境や幼い頃に起きた出来事も事件の原因にあるみたいだし、貴方がすべて悪いわけじゃない。」

「...突然、なんだよ。」

「私の個人的な意見では、貴方にはちゃんと償ってもらって、社会に復帰してほしいのよ。同じ年代の子供たちと同じように、生活してほしいの。」

「...。」


オンナは俺を真っ直ぐと見つめ、表情を変えずに呟いた。





「けど残念ね、あなたの未来に光は無いわ。」


< 99 / 144 >

この作品をシェア

pagetop