龍王と純情お姫様。
皐月

夏月が家出した。


行き先は仁の家なんだろうけど…



「組長!仁さんが来ましたよ。」


「おお…。」



仕事中なのにやって来た仁。

相変わらず、かっけえ野郎だ。



「よっ。」


「夏月そっちにいんだろ?」


「あぁ。
パパなんか知らない!
だいっきらいって言ってた。」


だいっきらい…



ショックでけえんだけど~


俺は夏月命なのに。


「あの、王子様野郎のせいだ…俺の夏月を…」


「クククっ。
夏月命なのはわかるけど、娘が惚れた奴なんだから認めてあげるべきなんじゃね?マジで夏月に嫌われんぞ~」



「だって…アイツ弱そうだし。夏月にてを出したんだぞ?」



「夏月もやるな~。
な、皐月、娘が本気で惚れた奴なんだ。信じてやるのも父親なんじゃね?」


まあ…



そりゃ…そうだけど…



手塩にかけて育てた
可愛い可愛い夏月がとられるんだぞ…



父親っつうのは
つれえな…





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