恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
「 一桜里、
そんなタメイキばかりついてたら、
明日になっても仕事終わらないんじゃないか? 」
オレの声に体…
全身で驚いている。
声をかけたオレまで驚いてしまった。
「 そこまで驚かなくても…。 」
口から出てしまった言葉に。
「 あはは…。
ごめんなさい… つい。 」
照れ笑いしている。
その笑った顔も
いつもとは違うようにみえた。
だから、
しばらくボーッと見つめてしまった。
「 あの… 荻窪さん。
仕事してもいいですか?
今日中に終わらせたいので…。 」
「 あっ!ごめん…。
オレも終わらせちゃうかな。 」
一桜里の一言が
オレとの間に壁があるように思えた。
一桜里を
どうにかしたいわけじゃないのだけど…
うーん…
でも…
男として、どうにかしたいのかもしれない。
そんなことを思いながら
部下が作成した書類に目を通していた。