恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
「 終わったぁぁ!! 」
一桜里の声とは思えないくらいの大きな声を出して、
両手を高くあげていた。
なんだか、かわいかった。
うん!本気でかわいいと思った。
だから…。
「 おつかれ!
今日これから食事に行かないか?
もう8時過ぎてるし…。 」
自分の口からスラスラと出た言葉に
オドロキつつも
一度会社の外で話したいと思っていたのも事実だし。
「 ありがとうございます。
予定ないですしいいですよ。 」
予定…?
あっ!
オレはメールに返信していないことに
今気がついた。
エレベーターホール
一桜里を待ちながらメールに
[ 今日は会えない。 ]
とだけ返信した。
「 お待たせしました。 」
「 行こうか?
どんなの食べたい?
まぁ、シャレタ店なんて、オレは知らないけどさぁ…。 」
「 気どらない店がいいです。
そういうところ似合わないから…。 」
「 じゃぁ、居酒屋もあり? 」
「 もちろん、ありです。 」