恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
「 荻窪さん…
私…
忘れられない人がいて…
それで…。 」
「 うん。どうした? 」
泣き出してるよ。
ありゃぁ…
一桜里との酒は…
これからないな。
「 荻窪さん聞いてくれますか?
私の悩み…
どうしたら忘れられますか?
元カレを…。 」
ボロボロ泣くし
それにオレに抱きついて…
あー、寝ちゃったよ。
こんな酔っぱらいの一桜里を
オレのマンションに連れて行きたくないけど…
一桜里の家知らないし、
泣いてる一桜里を
他の人に見せたくなかった。
思ったより軽い
一桜里を抱き上げてベッドへ運び
「 荻窪さん、
私って、かわいくないですか? 」
「 一桜里は、かわいいよ。 」
にかっ!
と笑った顔は
会社では見たことがない顔だった。
ちょっと離れたすきに
スヤスヤと寝息をたてている
一桜里に毛布をかけてやると
「 あったかいね、かんちゃん。 」
かんちゃん?
元カレかぁ?
オレの心でメラメラという音がしたように感じた。
一晩中
一桜里の寝顔をみていた。
オレは真剣に
一桜里とプライベートな話をしたい!と思った。