恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
いつものように四ッ木と食事している。
四ッ木といると、
なんだか安心感がある。
「 ねぇ、1つ聞いてもいい?
なんで元カノの手紙を大切に持っているの? 」
「 どうして、それを? 」
四ッ木に中身まで見られたのか?
四ッ木を睨むように見ていた。
「 なんで知ってるの? 」
オレは四ッ木に近づいた。
どんどん青ざめていく四ッ木を見ていた。
「 ふっ…封筒だけ、
みっ、見たことあるの。
かわいい色だなぁって、
そっ、それだけだよ。 」
「 ホントに? 」
「 ホントだよ。
勇深くんのこと全て知りたいの! 」
泣き出しそうな目に
かわいいと思ったけど…
「 オレはキミに話すことはないけど、
つきあってもないのに
オレのこと知りたいとか迷惑なんだけど。 」
オレは睨んだまま
視線を反らすことは出来なかった。
今にも涙が落ちそうな目で
必死に口から言葉を出している。
四ッ木がオレから逃げるように店から出ていった。