恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
あの目を見て
オレは心が動いた
四ッ木を抱きしめたい
けど…
今オレは四ッ木を抱きしめる権利があるのか?
自問自答していた。
イスの上に手袋が残っていた。
こんな寒い日に手袋をしていないなんて…
雪の中を走るなんて
けっこう無謀かもしれない。
でも、
早くあたためてあげたい。
真っ白い街
今にも消えてしまいそうな四ッ木を見つけた。
一人で歩くのも辛そうな後ろ姿
崩れ落ちそうな四ッ木を
今すぐ抱きしめたくって走り続けた。
end