恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
[ てまり、
今週もやっぱ帰れそうにないや。
ごめんな。 ]
こんなメールも5ヶ月続いている。
返事がわかっている質問もしなくなっていき
伝えたい!ことも
伝えなくなっていった。
[ わかった、仕事だもんね。
身体に気を付けてね。 ]
いつもはここでおわるメールも
今回は、つい…
[ 時間あったら話をしたいから
携帯ならしてほしいな。 ]
これくらいしか書けなかった。
それ以上書いたら
もっと今以上に距離が出来そうで…
こわかった。
ドラマやマンガでもよく見ていたけど
離れていることが
こんなに辛いことなんて思いもしなかった。
近くに居れたら
こんなに不安にならなかったのかな?
翌日
私にという初途くんのアドレスから
一斉送信されたメールは動画だった。
あまりの内容に気を失っていた。
私ではない女性が撮影していた動画。
そこにいたのは初途くんだった。
大好きな恋人だった。
初途くんからの連絡がないまま
あれから2週間がたっていた。
私は
私が壊れていくのがわかった。
人間って弱いんだね。
羽沙ちゃんも
初途くんとの共通の友人も
気を使ってくれて
初途くんの話はしなかった。
その気をつかってくれてるのが
優しさだと思えなかった。
みんな私を笑っているんだと…。
ねえ、初途くん
私って
やっぱり愛されてなかったのかな?
あのメールを送る前日からリセットしたいよ。
end
2014/12/31