恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >


今思えば
あの夜ムリしてでも地元に帰るべきだった。


あのメールから1ヶ月
てまりに電話することはなかった。


オレが自分の心が疲れたとおもって
なんの連絡もなく



てまりのマンション前に座りこんでいた。

いや正しく言えば
てまりが住んでいたマンション前だ。


メールは届いているようだが
電話は繋がることはなく

てまり、
あのメールをやっとの思いで書いてくれていたんだ。


久しぶりに親友の八郷に電話したら
ものすごくおこられた。

てまりのことは何も教えてくれなかった。


誰か知ってるかも?と
仲間といつも飲んでいた居酒屋に行った。
店のドアを開けたら
マスターをはじめ全ての人が
オレに刺すような視線をむけていた。




翌日
オレは
仕事も辞め
地元にも帰れず
地方都市で空を見上げていた。



自分という人間がした一つの過ちが
オレの知らないところで友人たちに知られて


その結果
ずっと守っていきたかった
てまりまでも失ってしまった。




なんで
あの夜
終電に飛び乗らなかったのか?



神様
お願いです

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一回だけでいい使わせてくれませんか?





end



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