恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >


朝4時すぎの空が大好き。

あけていく夜を一人空を見上げて
これからのことを考えていた。



「 もう…
終わりに…
しようかな…。 」



私たち…
写真の中の二人
出会った海



この海で出会った頃のように
ただお互いを好きって気持ちがあれば
良かった。


それだけで良かったはずなのに

時がすぎて
お互いが大人へと成長していく途中で
ボタンをかけ違えてしまっていたんだよね。

そんなことにも
気がつかないでいた。



お互いが子供すぎていたのに
大人になろうと急ぎすぎて
私の大好きな無邪気な笑顔が
消えていたことにも
気がつかないでいたんだよね。



「 偲斗、ごめんね。 」



空に伝えてみたところで
相手に伝わるわけもなく

伝えたいことは
ちゃんと本人に伝えなきゃいけないよね。



[ 今日会えないかな? ]


一言だけのメールを送信した。



< 153 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop