恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
朝4時すぎの空が大好き。
あけていく夜を一人空を見上げて
これからのことを考えていた。
「 もう…
終わりに…
しようかな…。 」
私たち…
写真の中の二人
出会った海
この海で出会った頃のように
ただお互いを好きって気持ちがあれば
良かった。
それだけで良かったはずなのに
時がすぎて
お互いが大人へと成長していく途中で
ボタンをかけ違えてしまっていたんだよね。
そんなことにも
気がつかないでいた。
お互いが子供すぎていたのに
大人になろうと急ぎすぎて
私の大好きな無邪気な笑顔が
消えていたことにも
気がつかないでいたんだよね。
「 偲斗、ごめんね。 」
空に伝えてみたところで
相手に伝わるわけもなく
伝えたいことは
ちゃんと本人に伝えなきゃいけないよね。
[ 今日会えないかな? ]
一言だけのメールを送信した。