恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
「 お待たせしてごめんね。
どうぞ! 」
助手席のドアを開けてくれた。
「 いいんですか?ここで! 」
「 もちろんいいよ。
後ろは狭いし…。 」
どんな理由でも助手席なら幸せ。
「 ありがとうございます。 」
私は轍さんが車に乗る前に椅子の角度を変えた。
「 そうだ!
ドライブでもしませんか?
今日は時間あるんですけど…
最近、車もあまり使ってなかったし…
付き合っていただけますか? 」
「 いいですよ。
私も時間ありますし…
でも1つだけ
私からリクエストしてもいいですか?
あの…海が見たいです。 」
私は絶対に行きたい場所があった。
そこは奈琉世が記念日には必ず行くって言ってた。
あの空の小部屋に二人っきりで乗りたかったの…。
「 轍さん、いいですよね? 」
「 もちろん、いいよ! 」
end
2015/02/14