恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
[ ねぇ、彼と別れて! ]
この言葉とともに届いた写真。
写真からその場所がわかる!!
だって何度も行っている思い出の、
私には大切な場所だったから。
これは昨日のこと
今日は
付き合って4回目の記念日だった。
「 奈琉世…
他の人に一瞬でも気持ちが動いたのは
ごめん… 。 」
まだ轍くんは話をしているけど、
はぁ?
気持ちが動いたんだ?
私との大切な場所に
私とも付き合っているくせに…
気がついたら手を繋いでた。
手を繋いでたからって
それを許してしまいそうな自分もいるけど…。
「 轍くん
私にも考える時間がほしい。
私にも轍くんが一番だって理解できる時間が…。 」
私は一人歩きだした。
追いかけてこないってわかっていても
後ろに神経を集中していた。
でも一瞬振り返ってみた。
轍くんは満面の微笑みで私に手を振っていた。
あの大好きな笑顔
ずっと見ていられると思っていたのに…。
冷たい風が通り抜ける駅のホーム
自販機で小さな温もりを買い求めて
私はベンチに座った。
「 はぁ…。 」
ためいきしか出ない。
「 あれ?
そこにいるのは
未来のオレのおねぇさまがいる! 」
聞き覚えのある声に私は振り向き
そこには轍くんにそっくりな嵐くんが立っていた。
でも、嵐くんだけではなかった。
その横には…