恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
私に昨日メールを送りつけてきた、
美来がいた。
「 奈琉世、
昨日メール返事こなかったけど…
まっ、くるわけないか!
返事なんかしたくないよね。 」
私は
ただ無言で美来を見ていることしかできなかった。
「 ねぇ、おねえさま。
オレの兄貴は今日一緒じゃないの? 」
それでも
私は無言で美来を見ていた。
私は
この人に負けたくない、絶対に!!
私は無言のまま階段をかけ下り
さっき別れた
あの場所へ!
もういないかもしれない。
でも走るしかない。
「 轍くん…
轍くん… 」
私の口からは
壊れたオモチャみたいに
その言葉しか出てこない。
とにかく轍くんと離れた場所を
ウロウロして…
それしかできない。
海側から
私を呼ぶ声と走ってくる足音
駅側からも聞こえる足音
私は迷わず海側へ走った。
「 轍くん…。 」
轍くんは
誰かと一緒にいる人がいたけど
私は構わず走って
走りながら
自分の答えを探していた。
end
2015/02/14