恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
真冬に外で待ち合わせって、ありえないよね?

突然だったから
手袋もイヤーマフも忘れちゃったんだよ。

もう最悪だわ!


いつもはね、
車で送迎してくれるんだもん。
だから…
甘えすぎてる証拠だな。
反省しなきゃ。


毅くん、
いつもありがとう!

心の中でつぶやいていた。


手をあたためたくて買った缶コーヒーも、
今はすっかり冷めてしまっていた。

毅くんって時間守る人なのに…
どうしたのかな?


あっ、
私いつも家にいるから最近待つこともなかったから。
少し待たされたくらいで
またまた反省しなきゃ。


二人が出会った頃に戻って新鮮な気持ちで居られたらいいね。


「 ごめん!
琴梨、待たせて…。 」


スーツ姿の毅くんに会うのは何ヵ月ぶり?


「 琴梨、寒い中ごめんね。
琴梨の家まで行ってると間に合わないかもって思って…。
久しぶりだよね。
待ち合わせって。 」


二人が出会った日を思い出しちゃった。


私鉄のこの駅は、
すぐ近くに踏切があってね。
ちょっと田舎ぽいところがたまらなく好きなの。

この好きなところで大好きな毅くんに会えたんだよね。
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