恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
小さなメモ用紙に
私は自分の名前を書いた。
あなたの前で私がこのメモを見せたら、
そこから始まるね。
一生懸命勉強してくれたんだね、手話。
二人で話そう。
いっぱい話そう。
手が疲れるくらいに
いっぱい話そう。
ほかのひとには聞こえないから。
反対側のホームにいても二人が見えてる間は、
ずっと話をしようね。
< 美渚、
ボクはキミが大好きだよ。>
ずっとぎこちなかった
あなたの手がいっぱいいっぱい練習してくれたんだね。
スラスラと話してくれる。
私を好きになってくれる人なんていないと思っていたから、
歩翔くんがウソをついているようにしか思えなかった。
< 信じてくれないの? >
< 美渚、ボクはキミの心が大好きなんだ。
聞こえないことを気にしてるの?
でも美渚が聞こえないから、
ボクと出会えたんだよ。 >
< いっぱい、
あなたのこと教えて。
いっぱい、
私のことも聞いて。
私もあなたのことを
今以上に好きになりたいもん。 >
< ボクのこと好き? >
< 大好き! >
見えなくなるまで、
いっぱい話そう。
二人にしかできない
まわりに人がいても二人きりの会話。
今日もキヨスクの前
あなたと私
離れていても二人だけの合図ではじまるね。
< 美渚、おまたせ。 >
end
私は自分の名前を書いた。
あなたの前で私がこのメモを見せたら、
そこから始まるね。
一生懸命勉強してくれたんだね、手話。
二人で話そう。
いっぱい話そう。
手が疲れるくらいに
いっぱい話そう。
ほかのひとには聞こえないから。
反対側のホームにいても二人が見えてる間は、
ずっと話をしようね。
< 美渚、
ボクはキミが大好きだよ。>
ずっとぎこちなかった
あなたの手がいっぱいいっぱい練習してくれたんだね。
スラスラと話してくれる。
私を好きになってくれる人なんていないと思っていたから、
歩翔くんがウソをついているようにしか思えなかった。
< 信じてくれないの? >
< 美渚、ボクはキミの心が大好きなんだ。
聞こえないことを気にしてるの?
でも美渚が聞こえないから、
ボクと出会えたんだよ。 >
< いっぱい、
あなたのこと教えて。
いっぱい、
私のことも聞いて。
私もあなたのことを
今以上に好きになりたいもん。 >
< ボクのこと好き? >
< 大好き! >
見えなくなるまで、
いっぱい話そう。
二人にしかできない
まわりに人がいても二人きりの会話。
今日もキヨスクの前
あなたと私
離れていても二人だけの合図ではじまるね。
< 美渚、おまたせ。 >
end