恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
よく晴れた日に
ボクはジョギングをしていた。

なんでボクは走っているんだろう。
時々自分に問いかけるけど、
結局答えなんて出ないままに走っている。


信号待ちをしていたボクの目の前に
キレイな黄色の紙飛行機が落ちてきた。

近くに子供がいないか見てみたが、
誰もいない。

あれ?何か書いてある。


[ 私は耳が聞こえません。誰か友達になってください。 ]


ちゃんと住所も名前も書いてあった。
ボクは捨てることも出来ずに一週間考えていた。


この紙飛行機を
ボクが拾ったのも運命なら友達になろうと思った。


[ ボクがキミの友達になってあげるよ。 ]


ボクがキミを支えていこうと思っているのに、
キミから届く手紙にボクは勇気をいっぱいもらっていた。


お互いに同い年ということも
さらに話題を増やしていった。

春に黄色の紙飛行機が届いて、
いつのまにか秋になっていた。


いつか会いたい。
ボクは手話サークルが近くにあることを知り
キミにナイショで勉強したんだよ。


[ 今度会えないかな?
10月10日ボクの誕生日なんだ。 ]


[ キヨスクの前。
缶コーヒー2つ持って待ってるから。 ]

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