恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
今日は高校の入学式。
ドキドキなんだけどね。

隣に座ったのが、拓武!

なんだか人なつっこい笑顔。
笑いかけられて、つい笑いかえしてしまった。


それが隣の席にもなってしまって、
まあ、隣だから仲良くなって
お互いの名前を呼び捨てにしちゃうくらいになっていた。


「 つきあってるの? 」


同じクラスの小想に聞かれたことあるけど
二人同時に口から出た言葉は


「「 ありえなーい! 」」


なんて言ってたくらいだもん。


それで、
高校時代から友達よりも…
もっと上のような。
なんて言ったらいいんだ。

そう!
友達以上恋人未満。


昨日久しぶりにバッタリ会って今日食事をすることになったんだ。


「 拓武! 」


ちょっと大きめな声で読んだら、
私をみつけて笑ってる。

あの笑顔!
誰のモノになるのかな?


それより高校のころから約束の時間をほとんど守らないのに
今日は約束の時間15分前に来たよ。


「 夢叶、ごめんね
待たせて…。 」


「 約束より早いから、
ごめんねはいらないでしょ? 」


拓武の
優しい笑顔が大好き。

でも今日は
その笑顔に心が痛んだ。



この笑顔
ずっと見ていたいのになぁ…。



私の顔を覗きこんで
拓武がマジメな顔をして


「 話があるんだ。
食事でもしながら…。 」

そのマジメな顔が、こわかった。
< 54 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop