恋路こいじ〜でんしゃで恋して♪〜< 短編集 >
「 今日の宿題
これお願い。 」


プリントを受け取った時に手が触れた
そこだけが熱くなっていた。



ずっと私の口から言わないでいる、
この気持ち。

先生の左手に繋がれてるリングに
私の言葉は止められているような気がした。


ねぇ、先生。
あと十年早く私が生まれていたら、
先生に鎖をつないだ人より先に出会えていたら、
今の気持ちを伝えることが許されたのかな?



あと一年
先生の背中を見続けてることが出来るから
私は学校にくる理由がちゃんとある。



「 教科リーダー!
教科室から資料持ってきてくれるか? 」


私と男子が立ち上がり教室を出た。

私は無言のまま
二階にある教科室へ歩いた。
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