キスの相手はあなただけっ！！

はぁ？
さっき私だけっていってたじゃん！
なによ！
彼女がいながら告白？！
私は携帯を放り投げた。
なんなの？！
浮気もいい加減にしなさいよ！
なんだか私は今まで体験したことないイライラに襲われた。
許さない。
許したくない。
拓なんて・・・
拓なんて・・・。
大嫌い・・・。


次の日。
私は教室の前で立ち止まっていた。
はぁ・・・。
拓の顔みたくない・・・。
マリアに顔合わせづらい・・・。
私が教室のドアに手をかけたとき
後ろから声をかけられた。

「ハロー！愛！」

マリアぁぁぁぁぁぁ！
このタイミングで普通こない！
ちょっと！ＫＹ？
やめてよぉぉ！

「どうしたの？
入らないの？
もしかして愛・・・
いじめられてる？」

なんでそっち方向？！
まぁ確かによくあるいじめ漫画の
シチュエーションだけど・・・。

「なにもないよ。」

私はマリアの顔を見ずに言った。
マリア・・・。
悲しんでるの？
笑ってるの？
わかんない・・・。
マリアの表情が・・・。

「だって愛・・・・
ふるえ「なにもないっていってんじゃん！」

やっちゃった・・・。
私最低だ。
私はマリアが言葉を最後まで言い終わらないうちに
つい強い口調で言ってしまった。
後悔。
その二文字が頭の中をまわっている。
みんなの視線が集まる。

「ご・・・ごめん。」

マリアは震えた泣きそうな声でそう言った。
私は教室のドアを開けて
席に座った。
教室は静まりかえった。
でもまたざわつく。

「愛。マリアとなんかあったの？
さっきの聞こえた。」

私の近くに蘭美がきてささやいた。

「別に。」

私は蘭美にも冷たく接してしまった。