キスの相手はあなただけっ!!
「は~い。席ついて。」
担任の先生が入ってきて
みんな急いで座った。
「今日から新しい仲間が増えます!」
さっきの転校生か。
三杉はわくわくしている。
お前は中村いるだろ?!
浮気する気か?
「入ってきてね~。」
先生に呼ばれて入ってきた女子。
髪は綺麗な茶色。
さらさらなストレート。
目はぱっちり大きくて
肌は雪のように白い。
髪についているピン留めが
キラキラと輝きを放っていた。
その女子は黒板に名前を書き
みんなの方を向いた。
「初めまして。大阪から来ました。
笹口 実亜です。」
笹口実亜と名乗った女子は
みんなにウインクした。
その瞬間周りの男子は
おぉー!と声を上げた。
ふーん。関西弁か。
まぁマリアのほうが断然かわいいや。
「じゃあ笹口さんは・・・。
小野君の隣ね。」
「はぁ?!」
俺の隣かよ!
嫌だよ。俺。
「よろしく。えっと~。」
「小野聖夜。」
「あぁ!小野君。
私なにもわからんから
いろいろ教えてな。」
笹口はなれなれしい。
「さぁみんなも
仲良くしてあげてね。
じゃあホームルーム終わり!」
みんなが席を立った。
俺も席を立とうとしたら
いきなり腕を引かれた。
「小野君。
せっかく隣なんやし
もうちょっと話そ。
小野君のこともっと知りたいし。」
「・・・。」
なんだこの女。
自分かわいいとか思ってんのか?
まぁいいや。
「少しだけな?」
「わぁ!うれしい!
ありがとな。小野君。」
それから何かと質問してくる笹口。
しかも恋に関係することばかり。
「好きな人おるん?」とか
「キスは?」とか
「デートは?」とか。
いろいろ質問してくる。
「なんでそんなに俺のこと知りたがるの?」
「え・・・?そんなの決まっとうやん!
私な、小野君に惚れたわ。」