キスの相手はあなただけっ!!
放課後。
劇の練習が始まった。
「まず台本をきっちり覚えろ!」
三杉が仕切る。
「ていうかなんでお前がしきってんの?!」
台本をきっちり覚えろとかいうけど
こんな長いセリフ覚えられるかよ!
「小野!ちょっと一回呼んでみなさい!」
川原が俺の前に立って言った。
チッ!
なんで上から目線なんだよ。
むかつく。
「えっと・・・なになに・・・
『結ばれてはいけないのに
僕は君が好きになってしまった。
君のその輝きがまぶしい。
禁断の恋をはぐくまないか。』って
なんだよこれぇ!」
「あはは!棒読みー!」
「うるさい!川原!じゃあお前も読め。」
川原はわかったわよと言って
台本を持った。
「いくわよ!
『まぁ。あなたも?
わたくしもあなたを愛してしまいました。
禁断の恋はしてはいけません。
お母様、お父様にばれないように
愛し合いませんか?』」
読み終わった後
きいていた奴から
大きな歓声があがった。
確かにちょっと上手かったな・・・。
でも俺もこんなもんじゃないぐらいの演技力
みせてやるよ!