生意気なハケン君
――内線二番かぁ……。








部下の声に、思わず小さくため息をついた。






内線二番。





それは部長からの連絡を意味する。



正直部長からの内線はほとんどがクレームや、
企画書のダメだしなどあまり嬉しい内容ではない。










――さてと…、いっちょやるか!






どんな厳しい声を受けとめられるように腹をくくると、



赤く点滅する“2”内線ボタンを押し、



声のトーンを一つ上げて受話器を取った。












その一週間後……――。




昼過ぎ、ランチもろくにとっていない私に、上司から会議室へ呼び出しがあった。









――コンコン

「……遠藤です。失礼します」





社内にある四つある会議室。



指定された第一会議室へ向かい、私はその扉を開ける。






「遠藤君」




室内には楕円形の大きなテーブルがあり、

約二十人分のデスクチェアーがテーブルを囲むように並んでいる。
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