生意気なハケン君
私に手招きをしたのは、上層部の人間。
そしてその隣には背の高い男性が一人……。
「悪いね、遠藤君。昼休み中に」
「いえ。大丈夫です」
笑い、にやけながら私の肩を叩いて腕をいやらしく擦る中年ハゲづら上司。
一歩間違えればセクハラまがいの行為。
だが、私は苦笑いしながらその場を何とかやりきる。
「たしか君の部署で退社する社員がいたよね?」
「はい」
「その社員の代わりに、彼を派遣社員として君の部署に回そうと思って」
上司がそう言うと、隣にいた男性を私に紹介した。
「――はじめまして、神城です。一ヶ月間ですがお世話になります」
一六八ある自分の身長より、二十センチ以上上にある顔を見上げる私。
男性は私に軽く頭を下げると、
宜しくお願いしますと無表情で言った。
――愛想ないなぁ、彼。
それが初めての印象だった。
顔はそこそこ男前なのに、
表情に喜怒哀楽を出さない。
どうせ派遣社員だしという概念を持ったまま、
他人と打ち解けないつもりなのだろうか。
そしてその隣には背の高い男性が一人……。
「悪いね、遠藤君。昼休み中に」
「いえ。大丈夫です」
笑い、にやけながら私の肩を叩いて腕をいやらしく擦る中年ハゲづら上司。
一歩間違えればセクハラまがいの行為。
だが、私は苦笑いしながらその場を何とかやりきる。
「たしか君の部署で退社する社員がいたよね?」
「はい」
「その社員の代わりに、彼を派遣社員として君の部署に回そうと思って」
上司がそう言うと、隣にいた男性を私に紹介した。
「――はじめまして、神城です。一ヶ月間ですがお世話になります」
一六八ある自分の身長より、二十センチ以上上にある顔を見上げる私。
男性は私に軽く頭を下げると、
宜しくお願いしますと無表情で言った。
――愛想ないなぁ、彼。
それが初めての印象だった。
顔はそこそこ男前なのに、
表情に喜怒哀楽を出さない。
どうせ派遣社員だしという概念を持ったまま、
他人と打ち解けないつもりなのだろうか。