生意気なハケン君
だが昨日今日やってきた派遣社員に手伝わせるなんて、


課長としてのプライドがどうしても許せなかったのだ。






「……」






変な意地を張った私を冷たい目で見下ろし、


神城は小さくため息をついてフッと笑った。







「……派遣社員は決められた仕事だけやってればいい。って感じですかね?」

「え?」





神城の刺のある言い方に、


私はキーボードを叩く指を止めて、デスクの横に立つ彼を見上げた。







「派遣に求められるのは結局仕事が出来るスピードと容量だけ。それ以上の期待はされてないんですよね」





どこか切ない顔をして遠くを見つめる神城。






今までにも、うちの部署に何人もの派遣社員がやってきた。





だがその全ては決められた事しか出来ず、


決められた仕事しか手をつけようとしなかった。






それが当たり前なんだと、私の中で決め付けていた。







だがら必要以上に派遣社員をあてにしないし、



必要以上に仕事を与えなかったのだ。
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