生意気なハケン君
――カランカラン…。








店の出入りを合図する呼び鈴が鳴る。




私と神城が外に出ると同時に、
外に並んでいた客が店内へ案内された。









「もう私この店来れないわよ……」

「まぁまぁ、そんなガッカリしないで下さいよ」





私がハァ…とため息をつきながら歩くと、
その横で笑いながら神城が言った。




「でも美味しかったですね、ランチ。行列が出来る理由がわかりました」





ブラックの七分袖カットソーを着て、胸元にはシルバーネックレス。


ベルトをしてブランドのウォッシュジーンズを履く姿は、まるでモデルのような装いだ。



身長もあるし顔も小さい。




こんな人間が何故派遣の仕事をしているのだろう。




それに彼は何歳なんだろう。


私より年下だって聞いたけど……。






「……課長?」

「!」





神城の横顔をぼんやりと見つめながらくだらない考え事をしていると、



その視線に気づいた神城が、
不思議そうな表情をして私を見下ろしてきた。
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