彼はくせっ毛君
――――――

「じゃあ美凪ちゃん、卓八、気をつけて」


「はい!責任を持ってお返ししやす!」

「お世話になりました…」


門の前で槙斗君とお別れ。


………ていうか。

卓八さんて…


さっきのスキンヘッドの柄悪そうな人じゃん!

“「お!これはこれはお取り込み中でししたか。失礼しやした」”

とかニヤついてた。



「あの、私家近いんで一人で大丈夫です」


こんな人と帰りたくないよ…。


それを見透かしたのか、槙斗君が

「大丈夫だよ美凪ちゃん。卓八見た目は怖いけど中身はすっごく優しいから」

と言った。


「そーすよ!自分こう見えても、かなり使えるんすよ」


……自分で言った!!
卓八さんは満面の笑みだった。



ていうかそういう事じゃないよー!!!お母さんが見たら驚くよ!!!





………はぁ。

それより…


槙斗君の婚約者スミレさん。


気になるよ。








昨日、初めて会えて




今日、家に入れて




今日、恋が終わった







終わったよ…。


あっけないね。







あーあ……。



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