猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した
チェンジはダメで、する気もない


(一)


軍が政権を握るのはそれほど珍しいことでもなかった。


国が細かく存在する時代、何が国を国として足らしめるのかは支配者の力だ。


土地に線引きをし、領土となし、領土の面積を広めるために国がすることと言えば、武力による組み伏せだ。


そこを見れば、平和が一番と笑顔でいる者が王よりは、領土の面積を増やし、その大きさを王の器とも示し、他国に恐れられるほどの人物がいい。


その点で言えば、それなりの領土を持ち、かつ軍としては完璧な武力を持ったこの国は成功の一例だ。


強くて敵わないと分かれば、弱者は攻め込まず、逆に何かしらのおこぼれを貰おうと強い国家に身を寄せてくる。


利益があれば小国も受け入れる。だが、利益だけあっても疑心になろう。


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