猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した


「怪しいー。ルーちゃん、そいつに気を許しちゃダメだよ。寝首かかれるかも」


「国公認の護衛だ。そいつが同盟国予定の相手に何かしたとなれば戦争にもなりかねない。滅多なことはないし。敵か味方かは見て判断する」


話し終わりにルカは壁の時計を見た。


スケジュール管理はミカエルがしているし、一任もされるためにルカが自ら時計を見たりなどないが、今の口ぶりから時計を見るタイミングであることを思った。


「来るんですか。ルカ大佐の護衛をする方が」


「出立は明後日だが、今日の内に来るそうだ。何の手違いかは知らないがな」


急な話だ。
明後日が今日とは、またとんでもない手違いであり、ミカエルも初耳なこと。


「確か、バルギルド国はここから馬車で一日ぐらいでしょうか」


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