猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した


「それはそーと、ルカ様って、あちらの方ですか、それともこちらの方?エレナ的には、こちらのクールなイケメンさんが良いのですがー」


「ひどいなー。女の子の扱いなら、ルーちゃんよか俺の方が上手いのに」


着眼点が違うレインはその部分を指摘するも、ミカエルからして見れば、好みで訪ねる相手を聞くのが特殊な気がする。


今のでルカに用事があるとは分かったが、このタイミングからして、まさかとミカエルが切り出す。


「バルギルド国からの護衛って……」


「あっ、はい。プロテクトエディション所属守護者、エレナ・T・ロストムって言いますー。今回はルカ様の護衛として派遣されました」


ぴしっと軍人らしく敬礼した少女――エレナだが、可愛さから子供が背伸びしてやっているようにしか見えない。


< 15 / 81 >

この作品をシェア

pagetop