猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した


えっへんと自慢げなエレナ。嘘は言っているように見えないものの、戦いのエキスパートの肩書きを持っているとも思えない。


「腕利きと聞いたんだがな……」


まさかのハズレクジを引かされたかとルカは呆れたが、エレナはすぐさま否定した。


「違いますよー、ルカ様。プロテクトエディションの中じゃ、一番に強いんですからっ。一番ですよ、ダントツ一番だからこそ、今回はこーんな名誉ある護衛に回されたんですから。エレナ、張り切ってます」


笑顔ながらも、がんばるぞーな思いが伝わってくるようだ。


色々ともの申したいが、もとよりルカは護衛などに期待は寄せていないし、信頼を置く気もなかった。


誰でも良かったのだ。弱かろうが強かろうが最初からいないと思ってルカは自分なりに行動すると決めていた。


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