猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した


「ミーちゃんもさ、あんまりワガママ言っちゃったら、ダメだよー。ワガママが通用しないのに駄々こねるお年頃でもないでしょ?」


「それは……」


言い方は癪に障るが、確かに駄々をこねたところで覆らない決定事項だ。


ミカエルが訴えるのは感情論にして、誰も受理などしないが、そのかわし方も冷たいとレインは言う。


「あーあ、ルーちゃんが冷たいから、ミーちゃん泣いちゃったかぁ」


「な、泣いてなんか……!」


「口を挟むな、レイン。そうして、ミカエル。何度も言わせるな。今回、お前は必要ない」


「必要ないって……」


レインの言う通りになりたくはないのに、胸を言葉で刺された気がした。


勝手な心配にしても、これはルカを想ってからこそ。それに必要ないなどと突きつけられれば、想いに傷がつかないわけがない。


< 7 / 81 >

この作品をシェア

pagetop