猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した
「ミーちゃんもさ、あんまりワガママ言っちゃったら、ダメだよー。ワガママが通用しないのに駄々こねるお年頃でもないでしょ?」
「それは……」
言い方は癪に障るが、確かに駄々をこねたところで覆らない決定事項だ。
ミカエルが訴えるのは感情論にして、誰も受理などしないが、そのかわし方も冷たいとレインは言う。
「あーあ、ルーちゃんが冷たいから、ミーちゃん泣いちゃったかぁ」
「な、泣いてなんか……!」
「口を挟むな、レイン。そうして、ミカエル。何度も言わせるな。今回、お前は必要ない」
「必要ないって……」
レインの言う通りになりたくはないのに、胸を言葉で刺された気がした。
勝手な心配にしても、これはルカを想ってからこそ。それに必要ないなどと突きつけられれば、想いに傷がつかないわけがない。