猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した
「だからさー、それが冷たいんだって。はっきり言い過ぎにしても、本当の想い隠すこともないのに。照れ隠しも、人を傷つけちゃうよ?」
「貴様……」
睨むような視線すらも鼻歌で流すようなレインは、リズムよく、自己流作曲で言葉を出してみせた。
「ミーちゃん好きなルーちゃんはー、ミーちゃんに危ないところに行かせたくないってー。そう言えばいいのにねー、ミーちゃん惚れ直し確定なのにー」
「黙っていろ」
下手な歌に万年筆を投げるも、簡単にかわされてしまった。慣れっこらしく、特に気にする素振りも見せないレインはミカエルの肩を抱いた。
「安心して危険な場所に行っておいでよー。ミーちゃんは俺がきーっちり守ってあげるから。外の敵よりも身内の敵ーってね」