猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した


「だからさー、それが冷たいんだって。はっきり言い過ぎにしても、本当の想い隠すこともないのに。照れ隠しも、人を傷つけちゃうよ?」


「貴様……」


睨むような視線すらも鼻歌で流すようなレインは、リズムよく、自己流作曲で言葉を出してみせた。

「ミーちゃん好きなルーちゃんはー、ミーちゃんに危ないところに行かせたくないってー。そう言えばいいのにねー、ミーちゃん惚れ直し確定なのにー」


「黙っていろ」


下手な歌に万年筆を投げるも、簡単にかわされてしまった。慣れっこらしく、特に気にする素振りも見せないレインはミカエルの肩を抱いた。


「安心して危険な場所に行っておいでよー。ミーちゃんは俺がきーっちり守ってあげるから。外の敵よりも身内の敵ーってね」


< 8 / 81 >

この作品をシェア

pagetop