さくら色 〜好きです、先輩〜
「恭介と友達?」
さっきの会話の様子だとかなり仲が良さそうだけど…
俺は何でかわからないけど恭介との関係が凄く気になった。
「幼馴染で隣の家なんです。さっき倒れた子も」
なんだ、幼馴染か。
そういえば恭介がアホな幼馴染がいるって言ってたっけ。
全然アホじゃねぇじゃん。
素直で友達想いの優しい子。
ただの幼馴染だって聞いてホッとしてる俺。
なんでこんなにホッとしてんだ?
もし彼氏だって言われてたら、俺はどう思った?
「…あの、腕から血が出てますけど」
「ん?…ああ、これならほっとけば大丈夫」
「駄目ですよ!ちょっと待って下さい」
そう言って、鞄からハンカチと生徒手帳に挟んであった絆創膏を取り出した彼女。
「腕、見せて下さい」
至近距離に来た彼女からシャンプーの甘い香りが漂ってくる。
さっきドキッとした心臓が、今度はそれ以上に激しく早鐘を打ち始めた。
彼女は濡らしたハンカチで傷を拭き、綺麗に絆創膏を貼ってくれた。