さくら色 〜好きです、先輩〜
それから西原さんを目で追っている自分に気付いた。
全校集会でも全校行事でも、放課後や休み時間でさえも無意識に辺りを見渡して彼女の姿を探していた。
彼女はサッカー部の試合の度に応援に来ていた。
俺ではなく、恭介の…
恭介と一緒にいるのを見る度に胸が痛む。
理由はわかってる…
けど俺は気付かない振りをした。
今はサッカーのことだけ考えればいい。
次の大会で高校の推薦が貰えるかどうか決まる。
大事な時なんだ。
だからこの気持ちに鍵をかけて、忘れてしまおうと思った。
だけど、忘れようとすればするほど意識してしまう。
あってはならないけど…練習も集中出来ない事が多々あった。
このままじゃ駄目だとわかっていても心が言う事をきかない。