さくら色 〜好きです、先輩〜
そんなある日の放課後、下駄箱を開けたら靴の中に綺麗に折った手紙が入っていた。
俺は手紙を手に取り、何気なく裏を見た。
“西原 葵”
丸くて小さい、女の子の可愛い字。
一気に体温が上がって行くのがわかった。
心臓がドクン、ドクンと激しく音を鳴らす。
俺は手紙を握り締め、誰もいない体育館裏へ走った。
体育館の外壁にもたれ掛かり乱れた息を整える。
握り締めて少しクシャクシャになった手紙を震える手でゆっくりと開いた。
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桜井先輩へ
こんにちは。突然の手紙ですみません。
一年A組の西原葵といいます。
先輩は覚えてないかもしれないけど、一度お話しした事があります。
友達が倒れた時に助けてもらいました。あの時は本当にありがとうございました。
あの日から先輩のことがずっと気になって、何度か話しかけようとしたけど出来なかったので思い切って手紙を書くことにしました。
先輩と仲良くなりたいです。
もし、ご迷惑でなければ返事を下さい。
西原葵
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