さくら色 〜好きです、先輩〜
俺は力が抜けたようにその場に座り込み、手紙を折り目に沿って畳んだ。
ふと空を見上げる。
さっきまで曇っていたのに青い空が見え始め、雲の隙間から太陽が顔を覗かせる。
まるで今の俺の心のようだった。
次の日、俺は手紙の返事を書いて西原さんの下駄箱に入れた。
それからすぐに返事が来て、俺達の秘密の文通が始まった。
西原さんは思った通り友達想いの優しい子だった。
意外にも負けず嫌いで、何事も一生懸命で、真っ直ぐな女の子。
どんどん俺の心の中に入ってきた。
だけどそれが全然嫌じゃなくて、逆に心地良かった。
俺の調子も戻って大会も順調に勝ち進んだ。
大会には毎回応援に来てくれた。
俺の応援じゃないかもしれないけど、彼女が見てると思うだけで何故かいつも以上に頑張れた。