さくら色 〜好きです、先輩〜
こいつらは皆サッカーが大好きで目がギラギラ輝いている。
…昔の俺みたいに。
何より俺を慕ってくれて、俺の復帰をこんなにも楽しみにしてくれてる。
なのに…
“リハビリはしてない”
“サッカーはやめた”
そんなこと言ったらお前らは幻滅するだろ?
この中には俺を目標にしてくれてる奴らもいるのに、そんなこと…言えるわけがない。
「俺達、復帰戦は必ず応援に行くからな!」
ガッツポーズをしながらやる気十分な姿に胸が痛む。
「お、おう!頼もしいな」
「じゃあまたサッカー教えてね!バイバーイ!」
手を振ってる子供達に「気を付けて帰れよー!」と俺も手を振り返した。
皆、ごめんな…
俺は子供達が見えなくなるまでその背中を見つめていた。