さくら色 〜好きです、先輩〜
二人っきりの特訓
ある日のLHR。
「今月末に球技大会が行われます。優勝したクラスには賞品が出るので優勝目指して頑張りましょう!!」
黒縁眼鏡の勇ましい女学級委員長が拳を握り締めて熱弁を振るう。
背後に炎がメラメラと見える気がするのはきっと私だけじゃないだろう。
「ひぇ〜委員長燃えてるねー!ねっ、葵は何出る?」
「ん〜、私テニスしか経験ないんだけど競技種目にないしな」
「でも葵は運動神経抜群だから何でも出来るでしょ!」
うちの学校は行事に力を入れていて、球技大会では毎年熱戦が繰り広げられるという。
席替えで隣りになった私と那奈は、声を小さくするのも忘れて盛り上がっていた。
「そこの二人!聞いてる〜?」
「「へ?」」
二人一斉に振り返ると、委員長がニヤニヤしながら私達を指差していた。
「だから!二人は男女混合サッカーに決定したから」
「「えー!!」」
教室中に私達の叫び声が響いた。