さくら色 〜好きです、先輩〜
「ごめんね。私がうるさかったから葵まで巻き込んじゃった」
「那奈のせいじゃないから気にしないで」
「そうだ!ねぇ、桜井先輩ってさ、広場でサッカー教えてるんでしょ?なら葵も教えてもらえばいいじゃん!!」
那奈は閃いたと言わんばかりに目を輝かせながらとんでもないことを言い出した。
「む、無理だよ」
「わからないじゃん!ね!そうしよ。先輩ともお近付きになれるし、何よりサッカー部に復帰する近道になるかもしれないじゃん」
「でも…」
「でもじゃない!宣戦布告したんでしょ?」
確かに…宣戦布告はした。
だけどそれからあまり進展がなく、正直どうしたらいいか迷っていたところで。
「ね!こんなチャンス二度と無いよ!」
…そうだよね、那奈の言う通りだ。
私が行動に移さないといつまで経っても今と変わらないよね。