さくら色 〜好きです、先輩〜
再会
入学式が終わり、HRで自己紹介をすることになった。
「◯◯中出身、清水恭介です。よろしくお願いします」
恭介の番になってからというもの女子がざわざわと騒がしい…
さすが恭介…高校でも相変わらずモテるみたい。
私が頬杖を付きながらまだ続く恭介の自己紹介をぼーっと聞いていると…
「最後に…あそこに座ってる西原葵は幼馴染っつうかくされ縁っつうか…まぁ、そんな感じなんであいつのことも宜しく」
恭介が私をビシッと指差しながらとんでもないことを言い放った。
その途端、クラス全員が振り返り、さっきまで恭介に見惚れていた女子からは冷たい視線を浴びる始末。
「……っ!ちょ、ちょっと!」
恭介のやつ!また余計なことを…
中学の時、幼馴染だからって恭介のことについて色々質問された。
ロッカーに“渡して下さい”ってメモ付きで恭介宛の手紙が入ってたり。
時には私や里美が彼女なのかと疑われたり。
正直厄介なことにはもう巻き込まれたくないのに…
私は冷たい視線から逃げるように、机に顔を突っ伏して溜息を吐いた。