さくら色 〜好きです、先輩〜
「良い試合だったな。最後のシュートも練習した通り出来たじゃん」
「でも…入りませんでした。もう少しで入ると思ったのに」
「…ごめんな」
「どうして先輩が謝るんですか?」
「クリアしたの…あれ俺なんだ」
先輩からさっきまでの笑顔が消えた。
キーパーの背後から出て来たのが先輩だったなんて…
クリアされたボールに気を取られてて全然気付かなかった。
「負けるわけにはいかなかった」
先輩は私の目をしっかりと見て言った。
その真剣な面持ちに先輩の気持ちは決まってるんだと思った。
「私の負けですね…先輩の賭けの条件って何ですか?」