さくら色 〜好きです、先輩〜
俺は二人がしつこく聞いてくるので止むを得ず事の流れを話した。
「邪魔が入っちゃったかー」
「しかも別れ際にマネージャーとして宜しくって…」
二人は俺の話を聞いた後、苦笑いを浮かべてため息をついた。
ため息をつきたいのは俺の方だし。
「俺だってそんなこと言うつもりじゃ…」
「言うつもりじゃなくても!言っちゃったんだから今更悔やんでも後の祭りよ」
萩原はそう言って、立ち上がりながら机をドンっと叩いた。
その拍子に机に置いてあった携帯やら空の皿がガタガタと小刻みに揺れ、飲み物はコップの中で大きく波を打っている。
「若菜…落ち着けって」
「あ…ごめん。つい…でもね、桜井君。葵ちゃんの気持ち気付いてるでしょ?」
萩原は椅子に座り直し、静かに問いかけて来る。
「そんな期待させるようなことして最後にそれじゃいくらなんでも可哀想過ぎだよ」
萩原は間違ってない。
俺は西原さんを傷付けた…