さくら色 〜好きです、先輩〜
俺はふと恭介との約束を思い出した。
それは今日の部活後のこと。
ーーーーーー・・・
俺は部活の後、恭介に呼び出されて西原さんとの約束の前に話をすることにした。
今日は二人の様子がどこかおかしくて、ずっと気になっていたし。
「…俺、葵に告白しました」
「え!?」
予想していなかったと言ったら嘘になるけど、突然の事で驚いてつい大きな声を出してしまった。
「振られましたけど」
恭介はそう言って苦笑いを浮かべた。
「先輩、正直に答えて下さい。先輩は葵の事どう思ってるんですか?」
「どうって…俺は…」
「先輩が葵を家まで送ってるとこ見ました。先輩はもう気付いてると思いますけど葵は先輩のこと本当に好きなんです。俺の前ではあんな楽しそうな顔しない…」
恭介は目を少し赤くしながらも俺の目をしっかり見据えて言った。
こんなにも真剣に話してる相手に対して、俺も真剣に正直に応えないと失礼だと思った。